介護施設の見学と、介護との向き合い方について

 

3月に入り、少しずつ季節の変化を感じるようになりました。
春が近づくこの時期は、気持ちの面でも「心機一転」と考える方が多いように感じます。

最近、ご両親の介護施設への入居を検討されている方の見学が増えてきました。

見学に来られる方の状況はさまざまです。
まだすぐに入居を考えているわけではなく、将来のために情報を知っておきたいという方もいれば、できるだけ早く入居先を探したいという方もいらっしゃいます。

一般的には、まず施設の概要や生活の様子などをご説明し、その後、空いているお部屋があれば実際に見学していただくという流れになります。

そんな中で、いつも感じることがあります。

見学のタイミングで、ちょうど良いお部屋が空いていることがあります。
そのお部屋をご覧になって、「一度家族と相談して、また一週間後に見に来たい」とおっしゃる方も少なくありません。

先日も、「先週見学に来た者ですが、あのお部屋をもう一度見せてもらえませんか?」というお問い合わせがありました。
しかし残念ながら、そのお部屋は数日前に入居が決まってしまっていました。

そのことをお伝えすると、とても残念がっておられました。

私どもとしても、「先週の今日だから、まだ空いていてもいいのでは」と思うこともあります。
ただ、やはり“いいお部屋”というのは、どなたが見ても「いいお部屋」なのだと思います。
そのため、思っている以上に早く決まってしまうことも少なくありません。

最近は、このようなケースが続いており、ご希望のお部屋をご案内できないことに申し訳ない気持ちになることもあります。

そんな日々の中で、「自分が感じていることを、誰か同じように話している人はいないだろうか」と思い、関連する動画などを探してみたことがあります。

すると、あるケアマネージャーの方が、日ごろの仕事の中で感じていることを率直に語っている動画を見つけました。

その中で特に印象に残ったのは、
「介護は、無理をして家族だけで抱え込まない方がよい」
というお話でした。

介護保険制度ができる以前は、ご家族が自宅で介護をするケースが多く、仕事を辞めてでも介護をしようと頑張られる方も多かったそうです。

しかしその方は、仕事と介護を両立することの大変さについても話されており、無理を続けることで大きなストレスを抱えてしまうことも少なくないと言われていました。

多少お金がかかる場合があったとしても、施設や専門職の力を借りることで、ご本人にとっても、ご家族にとっても精神的に安定した生活につながることがある、というお話でした。

施設での生活には、いくつかの良い面もあります。

例えば、栄養バランスのとれた食事が提供されることや、急な体調変化にも対応できる体制があること、また温度や湿度など生活環境がしっかり管理されていることなどです。

さらに、最近感じることとして、もう一つあります。

それは、詐欺電話などの被害に遭いにくくなるという点です。

近年、高齢者を狙った電話による詐欺が社会問題になっています。
ご自宅で一人で生活されている場合、こうした電話に不安を感じるご家族も少なくありません。

施設で生活されている場合は、こうしたトラブルに巻き込まれる可能性が低くなるという点でも、ご家族にとって安心材料の一つになるのではないかと思います。

日々施設運営に関わる立場として、現場の中で感じることと、現場で働く方々の声には共通する部分が多いのだと感じています。

介護は、ご本人にとっても、ご家族にとっても大きな出来事です。
だからこそ、一人で抱え込まず、さまざまな方法や支援を知りながら考えていくことが大切なのかもしれません。

見学に来られる方にとって、少しでも参考になる時間になるよう、これからもご案内していきたいと思っています。